中国製の製品が世界中に浸透しつつある現在、中国製と日本製の違い・将来予測など、いくつかの視点でみてみよう。
【アパレル編】
今から10数年前、ユニクロが誕生した時、ちょっとした話題になった。
でも、当時は “安かろう悪かろう” でアパレル関係者は冷ややかな目で見ていた。
それから数年、品質の向上と店舗数の拡大、知名度の向上・マスコミでの話題など、アパレル関係者も無
視できない状況になってきた。 それでも、悪くないレベルであり、ワンシーズ限りの使い捨て的な使われ方
をしていたと思う。
それが今ではどうだろう?
ユニクロの品質に疑問を持つ人はほとんどいないだろう。 それどころか業界の基準になっていないだろか。
「シャツは鎌倉シャツ以外は着ない」など、特別なこだわりを持っている人でもない限り、
アパレル業界においては、中国製品が当たり前のように浸透している。
それは、中国製の品質が向上したのはもちろんだが、それには、そこに携わった日本をはじめとする先進諸
国の人とびとの関わりなくしてはなしえなかったことだと思う。
【オートバイ編】
趣味性が強く、性能の差が大きく影響する工業製品であるオートバイでは、そうはいかないだろう。
と思っていたが、とある記事で驚きの事実を発見した。
正確な数字は覚えていないが、世界の生産台数は中国製のバイクがダントツの1位、しかも世界NO.1
だと確信していた日本製をはるかに上回り、桁が1つ違う台数を生産しているらしい。
ちなみに2位はインドで、日本は辛くも3位。 という意外な現実を知ってしまった。
では、バイクも洋服のように中国製が当たり前に浸透していくかというと、そうはなりえない。
少なくとも日本など先進諸国では、ならないと断言しよう。
ここ数年日本でも、中国製バイクが数多く出回ってきているが、大半が粗悪品。
見た目はそっくり、中身は別物、個々のパーツに至っては、及第点には程遠い 「×印」 が否めない。
国産であれば、壊れなくて当たり前。 中国製は、壊れるのが当たり前。
ちょっと前のイタ車であれば、「壊れるのもあばたもえくぼ、そこがまたイイ!」 ってなことになるかもしれない
が、中国製ではそうはならない。 もともと信用していないし、「安いから」・「お遊びようのセカンドバイク」
『まぁ、しゃーないか、笑って許してあげよう。』 程度の感覚だろう。
これが、クルマだったら会社が存続できなくなるくらいのクレームの嵐になるだろうが、大衆化していない趣味
の領域が強いバイクの世界では、自己責任の範疇に入ってしまうのである。
マイナートラブルが日常茶飯事の中国製バイクであるが、そのマイナートラブルは、実用上大きな問題には
ならないし、エンジンに関していえば、ボアアップなどチューニングを施したマシンに比べて、神経質になる
部分がなく遥に実用的で耐久性にも優れているような印象を受ける。
だから、バイクが大衆化した実用性を重視する国民にとっては中国製のバイクが主流で、それが当たり前に
浸透している。
今後、中国製のバイクと、日本や欧米のバイクの性能差が埋まっていくかというと、たぶん永遠に埋まらない
だろう。
それは、求めるものが違う、目指している方向が違うからだと思う。
【眼鏡編】
アパレル業界・オートバイ業界、異なる2つの業界で、中国製と日本製を比べてみたが、
それでは、眼鏡はどうだろう。
当然アパレル業界よりに推移するし、事実している。
理由は簡単。 大衆化しているからだ。
ただ、アパレルと決定的に違う要因として、眼鏡は工業製品の側面を持っているということ。
どういうことかというと、
ファッション性と同等以上に、素材・機能性が重視され、精密さ・性能の差が如実に表れる。
その差は、バイクのように埋まらないかと思いがちだが、簡単に埋まってしまうだろう。
精密機械であるバイクとは違い、すぐに真似されてしまう。 簡単にコピーできてしまうのだ。
実際、中国の優秀な工場では、世界の有名ブランドを生産しているし、日本でも一時、一部のブランドが
中国で生産して、組み立てだけを日本でおこなって、MADE IN JAPAN と表記をしていた。
しかし、食品の偽装問題などマスコミが大騒ぎしたのを契機に、眼鏡業界でも原産国表示の規制が厳しくなり
再び日本で生産するというなんともしまらない出来事が起きた。
それだけの品質をもっていれば、MADE IN CHINA でもよさそうなものだが、現段階ではブランドイメージ
にそぐわないのだろう。
例えば、国産の商品であれば、ハイブランドであろうが、名の知れないブランドであろうが、作りの良さに
それほどの差はない。 どれも品質的に問題のある商品などほぼ存在しない。
差が出るとすれば、細部の作りこみや、ブランドとしてのアイデンティティーの追求、こだわりや思いの違い
が結果として表れているだけだろう。
しかし、中国産となると、国産も唸るほどの作りのものもあれば、とんでもないガラクタもある。
そしてまだまだガラクタのほうが圧倒的に多い。
総して、国産はイメージが良く、中国産はイメージが悪いという印象になるわけだ。
それでも、規制のゆるい欧州では、中国で生産して、MADE IN ~ (その国) 表記はたくさん存在する。
欧米のブランドでも、名だたるところは大半が日本産なのは有名な話だ。
あと、これは余談だが、
「これは、すばらしいね」 という中国産のサンプル品をみて、注文するとなぜかサンプル品には遠く及ばない
商品が上がってきたりする。
国産であれば、サンプル品はあくまで試作段階だからサンプル品より良くなることはあっても悪くなることは
ないだろう。 このあたりが、国民性なのだろうか。
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